今夜は
同じマンションの
下の階で居酒屋(名前は焼き鳥屋)をやっている
おばちゃんのところへ行って
1杯だけいただいてきました
自分で酒を飲む習慣がないので
なかなか行く機会がありません
皆で飲み会をすることになっても
なかなか自宅付近でやることもないし…
というわけで
案外近くて遠い場所なのです
おばちゃんは60代後半
いつもにこにこ、気のいい人で
僕がここへ越してきて
初めて挨拶にいった時から
ずっと色々と気にかけてくれているのです
最近、朝早く夜は遅い生活が続いていて
今夜が今年初めての挨拶でした
しばらく近況を話していると
おばちゃんと同年代ぐらいの男性が入ってきました
入ってくるなりおばちゃんは
「なんで帰ってくんの!帰りぃ!」とそっけない態度
元々常連さんの多い店なので
お客さんかなと思っていると
「あんたがあの手紙の青年か!いや~いい手紙をありがとう」
といって涙ぐみ始めた
実は僕は年末に実家へ帰る際
ちゃんと挨拶できなかったおばちゃんへ
手紙を書いてポストに入れておいたのです
しかしおばちゃんに言われるならわかるけど
この人は…?
なんとその人はおばちゃんの旦那さんでした
今は週に1回だけ焼き鳥をしにきている
というのです
あ~なるほど
それで店の名前は焼き鳥屋になってるわけか
でもなかなか他の仕事はなく
普段は皿洗いをしているといいます
そんなおじちゃんが
「あれはいい手紙や。言葉がまたな…やさしいわ」
と言ってくれました
嬉しかった
心底嬉しかったです
ここのところ
ずっと言葉に気を配ってきてよかった~…
と思いました
そこからは
おじちゃんとおばちゃんが
かわるがわるありがた~いお話を
してくれました
僕はまたしても
「ありがたいわ~僕って恵まれてるな~…」
と思いながら
そう思うと泣きそうになりながらずっと聞いていました
人間には人づきあいというものが大事や
近所の人に知らん顔して生きてたら
困った時は誰も助けてくれへん
人間は損得勘定だけで生きてたらアカン
自分に余裕があって
他人に何かあげるとしても
「してやった」という根性ではアカン
「させてもろた」という気持ちがないと
意味がない
そしてそういう気持ちで生きていたら
いつか自分に返ってくる
「徳を積む」ということが大事なんや
そういっておばちゃんは
満面の笑みをくれました
おじちゃんはこんな話をしてくれました
わしも若い時は歌うたってた
人間好きなことして食っていけたら
それで十分や
何もスターになる必要あらへん
そんなもんは周りが勝手に騒いどるだけや
自分はちゃんと努力をすることや
でも人生は運も大事やで
運も実力や
周りからは苦労しとるように見えてもかまへん
人の評価なんか関係あらへん
自分の中に何を見るかや
テレビなんか嘘ばっかりや
「実」なんてほとんどあらへん
そういう時代や
でもそれで世の中成り立っとる
それでええんや
わしはそう思うとる
平易な言葉の中に
すごいことがいっぱい詰まっている感じがしました
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去年の夏
おばちゃんの店の下でやっていた
中華料理屋が閉店しました
そこの大将は事実上
このマンションを仕切っていたオヤジで
往来の人に常に目を配り
マンションに出入りする者には
必ず声をかけ
挨拶もしない若者には容赦なく怒鳴ってくれていました
おかげで
オヤジは僕と彼女の恋愛事情まで全て把握していましたが
オートロックはおろか
誰でもいつでも出入り自由の
物騒なマンションが
抜群のセキュリティで守られていました
その跡地には
この付近によくあるおしゃれ風の店がオープンし
交流もセキュリティもなくなってしまいました
僕はそんな「時代の流れ」が寂しく
おばちゃんを応援したくて
がんばってや!
と声をかけました
でも
頑張るのは僕の方やな
と思いました
近所の交流が希薄になり
若い世代がなかなか自分から動かない
ならば自分はどうなのだ
おばちゃんがもう引退したいと
グチをこぼしているのに
僕がいつまでも甘えてるようではダメなのだ
まず自分が変わろう
僕こそ頑張ろう!
新たな流れを作ろう
おばちゃん
ありがとう
つづく