現在、報道の焦点は、
ホメオパシーの真偽というよりも、
「医療ネグレクト」の問題に移りつつあるようです。
もちろんこれはホメオパシーの真偽の問題とも
密接に関係してくることではありますが、
こちらの問題に、
より焦点が当たっているように思えます。
その指摘は、ある程度当たっています。
安易なセルフケアや、
安易な教育システムや、
安易な「自然礼拝」や、
さまざまな問題が関係しています。
しかし!
それは決して
簡単な問題ではありません。
「この問題は○○○だ!
と言い切れるような問題ではありません。
「○○○とも言えるが、それだけとも言い切れない、
XXXともいえるが、それだけとも言い切れない・・・」
というような複雑な問題が、
幾重にも幾重にも取り巻いています。
あたかも病院に行かなかったから死亡した、
かのように書かれていますが、
そんな簡単な問題なのでしょうか?
まるで病院に行きさえすれば、
死亡することはなかった、
と言いたいのでしょうか?
朝日新聞の報道の中には、
「ホメオパシー推進団体」会員による死亡例
が複数ある、と書かれています。
(といっても「ホメオパシーレメディーを使うけれども
本来のホメオパシーとは程遠い、極めて特殊な療法」ですが・・・)
まずは、それについて、
慎重な検証をすることが必要です。
科学的な目で検証することが必要です。
実際に起こったことは、
そんな単純な構図だったのか・・・
そして、医療ネグレクトに関する中心的な問題は、
「それでは、病院に行きさえすれば良かったのか?」
という問題です。
病院に行くことが常に正解で、
病院に行きさえすれば、「医療ネグレクト問題」は、一件落着なのか?
という問題です。
そんなことはありません。
病院に行ったばかりに
命を失った例は
新聞やTVでもよく報道されていますが、
実際に起こっている数は
比べものにならないくらい多いでしょう。
明らかな医療ミスのレベルから、
そうとは言い切れない問題まで・・・
また現代医療ではそもそも難しい病気の方々など・・・
いろいろなレベルで、
いろいろなことが起こっています。
実は・・・
私には痛切な思い出がいくつもあります。
余り書きたくないことなのです・・・
あまりにも生々しく、
あまりにも心が痛くて・・・
でも、心して、
その一つを書きます。
末期の肺がんの方で、
余命1~2ヶ月と言われた方が、
ホメオパシーレメディーを摂られてからは、
すっかり経過が良く、
動脈血酸素量は低いものの、
酸素ボンベは必要とせず、
4年余り調子が良かったのですが、
朝早く少し息苦しく、
ちょっと検査もしたいのと、
家族が病院に行くことを強く勧めるので、
病院に行っても良いか、
という電話がありました。
「苦しいですか?」
と聞くと、
元気な声で、
「そうでもないけど、
しばらく病院には行っていないし、
ご存じの通り、私も家族も心配性なので・・・」
ということでした。
都内にある、
比較的新しい国立病院でした。
私は、「どうぞ行ってらっしゃい!」、と答えました。
特に不安は感じていませんでした。
ただちょっと検査をするだけなのですから・・・
・・・半日後、私は大きな後悔に苛まれました。
なぜ止めなかったのだろう・・・と・・・
今でも悔やみきれません・・・
検査をしたところ、
動脈血酸素量が足りない、ということで、
緊急入院の措置が取られ、
すぐに高濃度酸素吸入が始まりました。
それまで元気で家族と話していた患者さんは、
吸入後、急に意識が無くなりました。
酸素吸入を始めた直後に意識不明になったので、
家族は、これはおかしい!と思い、
すぐに中止して欲しいと医師に申し入れました。
すると医師は不機嫌そうに、
「私は専門家です。あなた方は素人なんだから、黙っていてください、」
と一喝しました。
その医師は、なぜ意識不明になったのか、
何も説明せず、
「酸素が足らないのだから、
高濃度で酸素を入れるしかない、当たり前でしょう!」
の一言だけで、
怒って部屋を出て行ってしまいました。
家族は納得できず、すぐに私に電話しました。
私は話を聞いて、すぐに駆けつけました。
さきほどまで元気に話していた方が、
酸素吸入を始めたとたんに意識が無くなる・・・
もちろん異常事態、緊急事態です。
私はすぐに生徒の医師何人かに電話しました。
しかし、あいにくお昼前で、
最も忙しい時間でした。
また一人は手術中でした。
その間も、刻一刻と時間が過ぎていきます。
私はその日は授業があったので、
緊急時には連絡するように言って、
やむを得ず学校に戻りました。
その後、家族は独断で、家族の意志として、
酸素を無断で止めました。
するとしばらくして、次第に意識が戻り始めました。
少しだけですが、何とか会話ができるところまで回復しました。
そこに医師が突然入ってきて、
酸素が止められているのを見て、
激怒しました。
そして、再び酸素吸入を開始しました。
「酸素吸入によって意識不明になり、
酸素を止めると意識が戻ったので、酸素を止めてください!」、
と家族が抗議すると、
更に激昂し、
「酸素吸入をしたおかげだ。
その効果が遅く現れただけだ!
自分の処置に間違いはない!」
と言い放ち、病室を出て行きました。
・・・結論だけ言うと、
それから間もなく、再び意識不明になり、
数時間後、亡くなりました。
医師が、無表情で死亡を告げた後、
その医師はすぐに退出し、二度と戻ってきませんでした。
家族が医師に詳しい説明を求めると、
医師は急用があって、既に病院を去った、ということでした。
それから毎日のように病院を訪ねたり、
電話しましたが、
その医師は一切出てこなくなりました。
そのうちに、個人的事情によって辞職した、
ということで、
代わりに他の医師が出てきて、
医療的に問題はなかった、の一点張りでした。
・・・医療的に問題はなかった???
もちろんそんなはずはありません。
今まで普通に話していた人が、
吸入し始めると急に意識がなくなる、
これが問題ない、ということがありえるでしょうか?
後日、生徒の医師に聞くと、
「実際には診ていないので確かなことはわからないが、
話を聞く限り、CO2ナルコーシスの可能性は非常に高いと思う」
ということでした。
おそらくその医師も、病院側も、
まずいな! と思ったに違いありません。
だからこそ、担当医師は出てこなくなったのでしょう。
何としても説明を受けたい!
とご遺族が少し強い調子で受付で話すと、
一度はまるで厄介な不審者でも来たかのように、
警備員が来て、もみ合いになりました。
・・・その後のことは
もうおいておきましょう。
結局一度も納得できる説明もないままです。
病院は訴訟になると面倒だと思ったのか、
ミスは無かったの一点張りで、
それ以上の説明をすることはしないまま、
高額の示談金を用意してきました。
ご遺族はもちろん断りました。
何度も来ましたが、一番肝心の説明をどうしてもしないので、
ご遺族は追い返しました。
その後、結局、争っても亡くなった方は二度と帰ってこない、
というご遺族のお気持ちで、
そのままになっています。
この事件は、その後の私にとって、
非常に大きなインパクトを与えた事件でした。
私は、病院をそれなりには信頼していたからです。
もちろん今でも多くの医師を信頼しています。
しかし、そうではない医師も少なからずいらっしゃる、
ということが、残念ながら分かりました。
それは仕方がないことなのでしょう。
そして、この種の事件は、
私が直接見聞しただけでも、10件は下りません。
ただ、これは、「現代医学の問題」ではありません。
この処置は、現代医学では、やってはならない禁忌なのですから。
ちょうど、報道されたヴィタミンK2の問題が、
ホメオパシーによって起こったのではなく、
「間違ったホメオパシーレメディーの使い方」
から起こったのと同じです。
つづく