後藤修先生は、ある時私にこう言いました。
もともとプロゴルファーになる、ということ自体、 大きな素質が必要。プロを真剣に志す者の中で、
やっと100人に一人くらいしかなれない。その中でも、一流のプロになれる者は、
本当に一握り。とりわけ歴史に残るような
超一流のプロになれる者は、
二十年に一人くらいしかいない。
ここに集まってくれている若者たちは、
本当に素晴らしい若者たちである。
しかし、一流、超一流のプロになるというのは、
さまざまな要素が
奇跡のように組み合わされなければ
難しい。それをこの子たちに要求するのは無理だ。
この子たちの中で、プロ入りできる者は、
そうたくさんはいないだろう。
それはまあ仕方がない。
しかし、私はこの子たちを、
一人残らず、第一級のコーチにはしてみせる。
それは可能だ。だいたい私自身、プロ野球選手としては、
二流だった。
ピッチャーとしては、
18勝31敗、防御率3.81
バッターとしては、
恩師で大天才だった新田先生直伝の
打撃フォームは一流だったと思うが、
実践となると全く打てなかった。選手として活躍するには、
本当にいろいろなものが必要だ。私は選手としては、
王や長嶋のような存在にはなれなかった。
しかし、
王や長嶋にしても、
コーチや監督としては、
今日の私には及ばない、
と思う。プロ野球で下積みの時代を過ごした、
その当時からの糧が
今日の私の基礎を成している。
ここに集まった若者たちを、
私は一人残らず
第一級のコーチには育てて見せよう。
きっと。
私には、それを可能にする技術がある。
後藤先生は、穏やかに、
しかし決然として、
そうおっしゃったのでした。
つづく