その日以降、後藤修さんのところへ日参しました。
朝から夜までのさまざまな練習を見学し、
夜は後藤修さんに深更までお話を聞く日々でした。
その練習の目的と内容、
またその時々で後藤修さんから出てくる言葉の数々は、
今まで全く考えたことすらもないレベルのものでした。
これがゴルフだとしたら、
私が今までやったり、
教えたりしていたゴルフは、
いったい何だったのだろう、
と思うような、
全く違うレベルのゴルフがそこにはありました。
その内容は、単なるゴルフだけではなく、
普遍的で、全てに通じる話ばかりでした。
ある時に練習を見ていると、
後藤さんから出てくる言葉の一つ一つが、
「金粉」になって空中を浮遊しているように見えました。
ゴルフの具体的な話は止めますが、
それほど次元が高いものでした。
ゴルフの話に留まらない話を一つだけご紹介しましょう。
ある夜、こんな話がありました。
練習をちゃんとしている時は、
決して爆発的なスコアは出てこない。
練習を止めてしばらくすると、
突然爆発的なスコアが出たりする。練習に明け暮れていたときには分からなかったが、
今になってようやくゴルフの神髄が分かったような感覚がする。
追い求めていた感覚が手に入ったような感じがして、
その感覚さえあれば、もう一生大丈夫なような感覚がする。
しかし、間もなく、突然、ガタガタになり、
そこからもう脱出できなくなる。
あれほど、神髄、コツが分かったと思っていた感覚は、
どこかに消し去られて、全く戻ってこない。
「ぶち独楽」というコマがある。
回っているコマにムチを打って、
コマを回し続ける遊びである。このコマにムチを当て続けていると、
コマはその都度ぐらぐらと揺れる。
ムチを当てるのを止めると、一瞬
コマは全く揺らがずシューンと静かに回る。
中心軸が全くぶれない、見事な回転になる。しかし、ほどなくすると、
突然グラッとなる。
一回グラッとなると、どんどん大きく揺れて、
そして倒れてしまう。練習というのは、ムチを当てるのと同じである。
練習をし続けると、絶えずムチを当て続けるので、
表面的現象としては、爆発的なスコアはでてこない。
練習を止めると、表面的現象としては、
急に爆発的なスコアが出たりする。
コマがシューンとなるように
素晴らしくなるように見える。表面上は良いように見えるが、
実は練習を止めた瞬間に内部は腐ってくる。
果実が腐る前の一瞬が一番おいしいように、
その時期の数ヶ月だけバカに調子が良い。そして、腐敗が突然顔を出し、
どうにもならない状態になるのだ。と
この話は10年以上前に聴いたお話ですが、
時々生徒や患者さんにお話しています。