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後藤修さんのこと (3)

後藤修さんに初めてお会いしたのは、
94年でした。
その頃、家業の鉄鋼の仕事を辞めて、
作家になろうと思っていました。

その時に、「天才シリーズ」のようなものをやろうと思い、
最初に書こうと思ったのが、
後藤修さんのことでした。

104で電話番号を調べて、
電話してみました。

昔から後藤修さんに関心があり、
ぜひ本にしたい、と伝え、
しばらくの間、密着取材したい、と言いました。

後藤修さんは、深く力のある声ではありましたが、
思いの外、優しい声で、
世田谷区の芦花公園の近くの練習場に毎日いるから、
来るように、ということでした。

私が行ったのは、あいにく練習が終わりかける頃で、
1時間ほど練習を拝見した後、
後藤さんのご自宅でお話をお伺いしました。


最初に、以前からずっと気になっていた質問をしました。
実は、私はゴルフをかなり教えた経験がありました。

私が教える時は基本的にスイングの正面から見ていたのですが、
後藤さんは、飛球線後方からのみ見ていたからです。
以前読んだ雑誌にもそう書いてありましたし、
たった1時間ですが、
練習中も正面には回らず、
常に飛球線後方からのみ見ていました。


「後藤さんは、スイングを正面からではなく、
ほとんど飛球線後方から見ていますが、
なぜなのでしょうか?」

その答えはこのようなものでした。


「私は天文学者から、こういう話を聞いた。
流れ星が落ちるとき、
自分に向かって落ちてくるとしよう。
その時、自分に対して完全には真っ直ぐではなく、
自分から少しでもそれて落ちてくると、
真横に落ちるように見える、と。

だから、私は飛球線後方から常に見ている。
スイングやボールの打ち出しが、
少しでも飛球線に対してずれていると、
瞬時に分かる。

私はもともと超一流プロしか教えない。
まあ、今はちょっと違うがね・・・

超一流プロの場合、
スランプの始まりは、
本当に微妙なずれから始まる。

飛球線後方から見ると、
その本当に微妙なずれでもすぐに分かるんだ。
ただし、私のような『芸術的な眼』を必要とするがね。


それにしても天文学から始まるとは・・・

最初からノックアウトされてしまいました。


つづく

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2008年06月27日 22:02に投稿されたエントリーのページです。

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