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2008年05月 アーカイブ

2008年05月04日

ロアジーナ (1)

このところの素晴らしい出会いの連続には、
本当に感謝しようがありません。

人間とは、こんなに素晴らしい!
と勇気づけられることの連続です。
正に、「我以外皆師」という言葉が身に沁みます。


前回予告した大きな変化の一つが
いよいよ連休明けの5月14日(水)に始動します!
これから怒濤のように始まる
大きな動きの始まりです。
そして、とても大きな始まりです。


それでは、発表します!

日本で初めて、いやおそらく世界で初めて?の
ホメオパシーサロンが誕生します。
南青山という一等地です。

これは、3年前から温めていた構想です。
学校という中で「閉じ籠もって」いるばかりでなく、
広く社会の中に開かれた空間として
何らかの場を開くのはどうだろうか?と。

しかし、それを実現するには
多くのハードルを越える必要があり、
なかなか実現には至りませんでした。


そこに、思いがけず、素晴らしいお話をいただきました。
風光明媚な群馬県川場村に
「渓山荘」という、ペットを同伴できる素晴らしい温泉旅館があります。
4年前からお付き合いがあるのですが、
「ロアジーナ」という本格的イタリアンレストランを、
一昨年に南青山に出されました。

ロアジーナとは、「小さなオアシス」
という意味を込めた言葉だそうですが、
素晴らしい素材を基にした、
素晴らしい料理を供するレストランです。


その渓山荘主にして、ロアジーナのオーナーの柳栄一さん,
女将の柳操さんご夫妻から、
今までの「レストラン ロアジーナ」から脱皮して、
「ホメオパシー」と「食」を中心の柱とした、
アットホームで、温かいもてなしの場所を、共に創れないだろうか?
というご提案がありました。


最初は、正直なところ
「ちょっとそれは難しいのではないか?」という気持ちでした。
私は残念なことに、飲食業に携わった経験がありませんし、
飲食とホメオパシーを一つの場で行う、
ということが、ピンときませんでした。
しかし、いろいろとお話をするうちに、
次第にこれは素晴らしいプロジェクトだ!
まさに同じ場所で行うことにこそ大きな意味がある!
という気持ちになってきました。


オーナーの柳栄一さんは、食に対して凄い情熱を持っている人です。
渓山荘に泊まった時に経験しましたが、
それはそれは「すごい食材」であり、「すごい料理」でした。
あらゆる食材からダイレクトにエネルギーがほとばしってくるような、
本当にすごい料理でした。

本当に美味しかったのですが、
考えてみると美味しさとは、
「自然の恵みのポテンシャルを、
ありのまま余すところなく引き出していること」
の表現です。

食材が腐ってくると、臭いという表現をします。
また、食材のポテンシャルを十分に引き出していないと、
不味い! という表現をします。
同様に、食材の本来の自然のポテンシャルを引き出すほど
美味しい! という表現がなされます。

つまり、「症状は、内的不調和を余すところなくありのまま表現している。」
というホメオパシーの大原則そのままです。
また、「現象として表現されないような『隠れた本質』というものは存在しない」
という実存主義のテーゼでもあります。

ホメオパシーとは、人生のクオリティー(質)を上げることです。
ホメオパシーを通じて、人生を全うするお手伝いをすることです。
食もまた、人生のクオリティーを上げることであり、
食を通じて、人生を全うするお手伝いをすることです。

食においては、素材というレベルから、
ホメオパシーにおいては、エネルギーというレベルから、
人間本来の姿を「思い出す場」、
そして、人生が生き生きとしてくる場、
それが、ロアジーナなのです。

かくしてロアジーナは、
「健康」「環境」「教育」をテーマにした、
新しい場として、5月14日に新たな出発をすることになりました。

http://www.keizansou.com/
http://loasina.jp/


ロアジーナがどんな場なのか、
以下パンフレットから引用しましょう。

ロアジーナは、世界で初めての?
ホメオパシーサロンです。

心休まるホメオパシー的空間の中で、
ゆったりと寛ぎながら、楽しい会話、
さまざまな相談やショッピング、そして食の本質を
実現した、とびっきり新鮮で美味しい食事を
楽しんでいただけます。

時代を切り開く21世紀の医療ホメオパシー。
人生のクオリティを上げてゆくという、
医療の本質を実現した人間医学です。

症状は、何か解決しなければならない不調和
があることの表現です。都合が悪いからと症
状を抑圧するのではなく、病の意味を全うす
ることによって、病を根本的に終わらせます。
それゆえに、150年の長きにわたって
英国王室御用達の医療として信頼を得てきたのです。

ホメオパス(ホメオパシーの専門家)や
研修中のホメオパスが出入りしますので、
ホメオパシーのこと、食のことはもちろん、
さまざまなお話をゆったりとしていただけます。

また心地よい空間の中で、
専門家による簡易セッション(要予約)や
ホメオパシー的歯科医による歯の調整(要予約)、
そしてホメオパシーの書籍やレメディーの購入もしていただけます。


Natural food Kitchen
Lunch cafe
Open AM 11:30 - PM 2:00 L.O
日本の新鮮な食材を活かし、スペイン直輸入の生ハムや
チーズ、オリーブオイルなどを使用。飲み水等は川場村の軟水、
コーヒーには長野から硬水を運んで使用しています。


Homeopathy salon & shop
Open PM 2:00 - PM 6:00
ホメオパシーサロン(会員制)
この時間帯の一般のお客様のご利用はデリカの販売、
カフェカウンターと外テラスでの軽食とドリンクを承っております。


Natural food Kitchen
Dinner
Open PM 6:00 - PM 11:00 L.O
店内つきあたり奥のサロンで「我が家に招く」ような
あたたかなおもてなしをご提供いたします。


Natural food Delica
Open 終日
無農薬野菜やテイクアウト用のデリカ、スペイン直輸入の
オリーブオイルや生ハム、チーズ、チョリソーなどを
終日販売します。オールドローズなど美しい花を添えた
大切な方へのプレゼント包装をご予約で承っています。

塩河原温泉 美人の湯
A r s V i t a l ( 株)
www.arsvital.co.jp  

温泉宿、渓山荘は群馬県川場村の水の美味し
い里山にあります。温泉はつるつるとした湯
で昔は脚気川場とうたわれた薬湯として愛さ
れていました。様々な物語を胸にご宿泊され
る方々と会話をし、宿を営む内、環境・教育
健康について漠然と考えるようになりました。

2004年、宿に隣接して「それいゆ牧場」がで
きた事で馬で人を癒していくホースセラピー
をお客様にご提供できるようになります。

その後、縁あってホメオパシー医療と出会い
ます。又、同じ時期に荘主の柳栄一の食に対
する情熱がスペインの職人とつながり、伝統
的な製法の食材を輸入するArs Vital社を設
立。国内の自然農法家とも直接つながり、素
晴らしい食材を食す事は、より良く生きる事
に繋がると実感。

人が本来あるべき姿に戻る、
思い出すという事を促す「食」「ホメオパシー」
を同じ空間で実践する機会を与えられます。

日本のホメオパシー医療の第一人者でいらっ
しゃる永松学長、副学長の永松幸和先生と、
わくわくした気持ちで準備を進め、食とホメ
オパシーが融合する場所、ロアジーナが誕生
しました。キッチンでは心を込めたおもてな
しを心がけ、皆様のお越しをお待ちしており
ます。そして是非、自然豊かな 渓山荘へも
お越し下さい。
    
塩河原温泉 美人の湯 渓山荘 女将

柳 操

Shiogawara spa KE I ZANSOU
www.keizansou.com


女将の柳操さんは、とてもセンスがある人です。
渓山荘には女将の素晴らしいセンスが
至る所に活かされています。
ぜひ行かれてみて下さい。
隣の「それいゆ牧場」もお勧めです。
ホースセラピーについても、またお書きしたいと思います。

場というのは、少しずつ育っていくものです。
ロアジーナは、生まれたばかりです。
昔から、「小さく産んで大きく育てる」と言います。

これからのロアジーナの成長を楽しみにしてください。


これから、柳さんとの打ち合わせです。

詳しくは、またお知らせします。
お楽しみに!!!

2008年05月17日

ロアジーナ (2)

少しご無沙汰しました。
実は、パソコンが突然ダウンしてしまいました。
ちょうど連休明けに、ある方にメールを送ったとたん、
パソコン画面が突然消え、
いろいろと試みましたが、動きません。
何とか救出を、と思いましたが、
メーカーでは、なかなか難しいそうです。
専門の業者に頼むしかないのかな、
と思っていますが、かなり時間がかかります。

その中にあるドキュメントのうち、半年以内のものは失われましたが、
以前のものは、バックアップがあります。

しかし、痛いのは、メールです。
アウトルックを使い始めて、アウトルックで受けると、
元のメールアドレスに残されずに全部削除されていました。

それを残す設定にするやり方を最近知ってからは、
他のパソコンからでも見れるようになっていましたが、
連休中にパソコンの調子が悪くなったので、
システムの復元を実行したら、また元の黙阿弥、
メールの設定も以前に戻ってしまい、
アウトルック以外の全てが消えてしまいました。
そこに、パソコンの突然のダウン。
今度はメールの全てが消えてしまいました。
メールの内容、メールアドレス、全てです。
嗚呼

私からのメールをお待ちの方、申し訳ありませんが、
もう一度メールをいただけると、たいへん助かります。

でも、もしかすると、これも象徴的な出来事だとも思います。
過去に深い感謝をしつつ、新しい出発をせよ!
ということなのかもしれません。


さて、いよいよ新生ロアジーナが開店しました。
新しいロアジーナは、本当に素晴らしい場所になりました。

先ずは、お店の雰囲気です。
とてもくつろいだ、和やかなアットホームな雰囲気で、
来店される方、食事をされていらっしゃる方々の雰囲気が、
とても和やかで、寛いだ、ほっこりした感じです。

また、何といっても、食事の質が素晴らしいです。
ランチは、現在1200円、1500円、とあるのですが、
最初に出てくる無農薬野菜やスペイン直送の生ハムたっぷりのボカディージョ
まず、これだけでノックアウトされます。

そして、スープ。
このスープも素晴らしい。
優しく大地の滋味がたっぷりです。
そして、昨日のメインはポーク。
このポークは、これがポークだとしたら、
今までの「ポークと称するもの」はいったい何だったんだろう、
と思わせるようなポークでした。

何回でも、いや毎日でも食べたい! と思わせる
素晴らしい食事です。

また、ジュースの素晴らしいこと。
まさに果実をそのままジュース(エッセンス)にしたものです。
自然の恵みの味が、ありのまま余すところなく表現されています。


そしてホメオパシーサロンの時間は、
とてもゆったりとした、寛いだ時間が流れています。
ぜひ、おいでになってみて下さい。
一般の方、在学生、卒業生の方、
きっと楽しめると思います。

ロアジーナでのベストな時間の過ごし方は、
まず、1時過ぎに行き、ゆったりとランチを食べる。
1時過ぎまでは、たいてい満席ですので、
この時間がお勧めです。
そして、2時を過ぎるとそのままホメオパシーサロンになって、
ゆっくりとホメオパシーのことや、
さまざまなことについてお話をする。
もちろん読書もできますし、勉強もできます。
お過ごしになりたいように、過ごしてください。

もし、とっても時間がおありになる、
という時でしたら、ホメオパシーサロンの時間に引き続いて、
素晴らしいディナーをお勧めします。
ランチも、もちろんそうなのですが、
毎日、採れたての、穫れたものをベースにして、
メニューが組み立てられます。

実は夕食には、決まったメニューはありません。
あっても最小限です。
メニューらしきものは、一応提示されますが、
何にもないと、かえって難しいだろうという配慮に過ぎません。

本当は、
1. まずその日の食材をお客様にご説明する。
2. そして、その食材をどのように料理して欲しいのかをお聞きする。
   具体的でも良いし、抽象的なイメージでも良い。
3. リクエストに応じて作る。
                                                             という大胆かつシンプルな形態にしたかったようですが、
お客さんによっては、それだとどうして良いかわからない、
という方もいらっしゃるので、
一応メニューもあります。
しかし、本当はそういう形態ですので、
どのような調理もオーダーできます。

ランチタイムは、時間が限られていますので、
基本的にはセットメニューになりますが、
夕食時は、心ゆくまでゆったりと楽しめます。

ぜひ思いっきり「我がまま」にオーダーをしてみてください。
材料がある限り、どのようなオーダーにも応えられると思います。

・・・何かホメオパシーのような話になってきましたね。


ロアジーナでは、バッハが流れていることが多いです。
ロアジーナの音楽の基本テーマは、くつろぎと落ち着き、そして和やかな刺激です。

ここでも、女将の柳操さんと私の趣味が一致しました。
特にチェロの無伴奏ソナタが多いと思います。

今、主に流れているのは、
ミッシャ・マイスキーのデビュー盤です。
マイスキーには、新旧の二種類がありますが、
私は圧倒的にデビュー盤の方が好きです。
デビュー盤は、素晴らしい意味で
「楽譜通り」の演奏がなされます。
それでいて、とてもみずみずしくフレッシュで、
清水の水をすくって飲むような、
心が芯から癒されるような演奏です。

しかし、新しい盤は、
私にとっては余り嬉しくない意味で、
自己陶酔的で、
陶酔しているのは、本人だけで、
少なくとも私はちっとも陶酔できません。
その時の一時的な気分で、
テンポを勝手に動かしていますが、
そのテンポに全く同調できません。
それが何らかの普遍性を持っているものでしたら、
陶酔的な演奏は実は大好きなのですが、
何度聞いても、私にはそのようには聞こえません。

他の演奏や曲も、また流していきたいと思います。

2008年05月18日

靴磨き (3)

帝国ホテルの師匠から、靴磨きの薫陶を受けてから、
にわかに靴磨きに興味を持ち始めました。

早速クリームやワックス、クリームを塗布する筆ブラシ、ブラシなどを購入しました。
まず、クリームを筆ブラシにつけて、まんべんなく塗布します。
そして、柔らかめのブラシでこすると、
それだけで本来の艶を取り戻します。
普通は、これで十分なのですが、
私は師匠の技を見ていますので、
それだけでは満足できません。

そこで、師匠を見よう見まねで、
一段上の磨きに挑戦することにしました。

このワックスを使う磨きは、ちゃんとやろうとすると、
実は結構大変です。

まず、本当にピカピカにしたいところを決めます。
ワックスは、光る代わりに柔軟性がありません。
従って、比較的動かない部分のみに使う必要があります。
動く部分ですと、すぐにはげ落ちたり、
皺がよって、まだらになりやすくなります。

靴の先とか、かかとのような部分は、
余り動かない部分ですので、
ワックスを重点的に塗って、
輝くばかりの鏡面仕上げが可能です。

しかし、他の可動部分を鏡面仕上げにしますと、
磨いている時は良くても、
履いているうちに、すぐにしわになったり、
ワックス部分がはげてきたりして、
その後のアフターケアが大変です。

ですから、靴の手入れの本を読みますと、
鏡面仕上げにするのは、
靴の両端だけで、可動部はしてはならない、
と書いてあります。

しかし、病膏肓(こうこう)に入いる、と申しますか、
駄目だ、と言われたら、ますますやってみたくなります。

誰にも迷惑をかけるのではないし、
・・・・・誰にも迷惑をかけない、と思ったのは全く浅はかで、
家族と話す時間がしばらくの間、全く無くなってしまいました・・・・・
せいぜい、最悪の状態でも自分の靴が一足駄目になるだけだ、
と思い、靴の全部分を鏡面仕上げにすることに挑戦してみました。

まず、柔らかいコットンの布に少し水を含ませます。
そこに固形ワックスを少しつけて、
靴に擦り込んでいきます。
少し圧力をかけながら
まんべんなく擦り込んでいきます。

この時、師匠は「目」に沿って擦り込むのですが、
私は残念ながら未だ「目」が分かりません。
ですので、「適当に」円を描きながら擦り込みます。
何度も何度も少量づつワックスを擦り込むうちに、
次第にクリームとは違う次元の光沢が出てきます。


そうやって、次第に鏡面に近くなってゆくのですが、
これからが、大変でした。

鏡面仕上げにするには、
その部分を20回以上は、磨く必要があります。
一回磨くだけでも、10分はかかります。
時々水を付けながら、ワックスを擦り込んでいきます。
そして、その後で余分のワックスを拭き取ります。
拭き取りながら、磨いてゆきます。
これを靴の全面にするのですから、早くて10分はかかります。
それを最低20回繰り返すのです。

最初の5回くらいは、あまり顕著な変化は出てきません。
しかし繰り返すうちに、小さな凸凹が埋まってきて、
次第に均一な面、俗に言う「面一(つらいち)」になってきます。
10回もすると、相当ピカピカに光ってきます。
しかし、鏡面とまでは言えません。
15回が過ぎ、20回に近づくと、
本当に鏡面のように、
自分の顔がきれいに映り込むような仕上げになります。

ここまで要する時間が、3時間半。
しかも、これで片足です!
両足で、7時間という、とんでもないことになります。

もちろん、クリームだけでも普通に言えば
どこに出しても恥ずかしくない、
十分な艶と光沢があるのですから、
この7時間は、全く趣味の世界です。

また、そんな20回ではなく、
10回でも十分に見違えるようにピカピカですし、
6回か7回でも相当なものです。

昔、親の会社でステンレススチールを販売していましたが、
ステンレスの仕上げにもいろいろな仕上げがありました。
最も一般的な仕上げは2Bと言われる仕上げで、
適度な光沢があります。
普通ステンレスというと、
この仕上げのものを思い浮かべていらっしゃると思います。

BAという仕上げは、鏡のように見える仕上げです。
専門的に見ると、まだまだ本当の鏡面には、ほど遠いのですが、
パッとみると、十分鏡のように見えます。

最高級の仕上げはNo.7とNo.8です。
これは、本当に最高級の鏡面的仕上げです。
No.7は、よく見るとまだ研磨目がありますので、
正式には鏡面とはいえず、準鏡面と言われますが、
No.8には、研磨目すらなく、鏡面仕上げと言われます。
詳しくは、こちらをどうぞ。

http://www.ks-kousei.co.jp/stainless/finish.html


例えると、クリームで磨いた状態が2B,
7回くらいワックスで磨いた状態が、BA,
20回くらいワックスで磨いた状態が、No.7、
No.8となると、磨く回数もさることながら、
研磨目が残らないようにしなければなりませんので、
磨く布の材質が決定的に重要になります。
シルクか、より繊細なものを使わないと無理ですし、
靴ですから、すぐに埃にまみれます。
ステンレスのNo.8は、
反射鏡にも使われるほどの仕上げですから、
靴には全く意味がありません。
もともとステンレスの場合でも、
No.7とNo.8の違いは、
よーく近づいて見ないとわかりません。
いや、近づいても専門的な目を持っていないとよく分かりません。

しかし、趣味というのは、怖いものです。
その意味のないNo.8に挑戦してしまうのです。
一歩外に出ただけで、No.7はおろか、
せいぜいBAにまで落ちてしまうのに、
追求せざるを得ないのが、
病膏肓に入いる、ということです。

あれこれと工夫をして、ついにNo.8といえるような
仕上げに成功しました。
それに要した時間は、一足につき10時間、両足で20時間・・・・・
という、正に「病的」なものでした。

しかも靴を履いて部屋を一歩出ると、
その仕上げは壊れてしまうのです。


砂曼荼羅というものがあります。
何ヶ月もかかって砂で曼荼羅を作っては壊すことを
何度となく繰り返すのです。

元々この世に、「保存」できるものは一つもありません。
それは執着です。
常に作っては壊し、作っては壊し、ということを
やり続けていかなければなりません。
作ったこと、やったことに、「思い」を残してはならないのです。
本当の「思い」「想い」とは、過去に執着してそれを保存しようとすることではなく、
常に本当の原点、「存在のゼロポイント」から出発して、
常に新たに一から作り続けることです。

即ち、ex nihilo !

http://en.wikipedia.org/wiki/Ex_nihilo

2008年05月29日

ホースセラピー (1)

正直なところ、今まで馬には特には興味がありませんでした。
競馬は一度香港で友人に誘われて「接待」で行きましたが、
日本では行ったことがありません。

ホメオパシーでは、Arsenicum(ヒ素)のレメディーが、
サラブレッドととてもよく似た症状像を持っていると
言われます。
とても神経質で、潔癖で、恐怖が大きい一方、
気品があって、独立自尊的という
Arsenicumの症状像とサラブレッドに共通点がある、
というわけです。

私の馬に対する知見はこの程度の
極めて貧しいものでした。


3月22日でしたから、ちょうど二ヶ月前になります。
ロアジーナのことで、渓山荘の柳さんにお会いした時に、
NPO法人の代表の方と一緒に行きます、と言われました。
いろいろとご相談をしたりしている方だ、と言われます。
とても人なつっこい、笑顔がすてきな方でした。
頂いた名刺を見ると、
NPO法人インフォーメーションセンターの代表理事
寄田勝彦 と書いてあります。
「環境」がテーマのNPOですが、
具体的にはホースセラピーを中心的にやっておられて。
全国に15カ所もの牧場を経営されていらっしゃる、
ということで、
びっしりと牧場の所在地が入っている
黒ずくめで二つ折りの珍しい名刺をいただきました。


まず、昼食をご一緒しましょうということで、
「東京讃岐倶楽部」という、なかなか面白いところで
カレーうどんを食べました。
ここには、「さぬき大使館」という看板も掛けられている、
とても不思議なところですが、
本場さぬきうどんはさすがにいいお味を出しています。

http://www.sanuki-club.com/

ここのカレーうどん&ご飯セットは、
いつ食べても本当に美味しいですし、
他のものもなかなか美味しいです。

昼食を堪能した後、ロビーに降りてミーティングをしました。
ロビーには、なんとジョージナカシマの椅子が数十脚、
こんなにたくさんのジョージナカシマを見るのは初めてで、
本当に壮観です。


そのジョージナカシマの椅子でくつろぎながら
ロアジーナのことを、柳女将と
いろいろとお話していました。
1時間くらい経った時でしょうか。
じっと黙って話を聞かれていた寄田さんが、
「これは、おもしろい!もう本格的にやりましょう!」
と突然叫びました。
そこから徐々に、そして怒濤のように、
寄田さんのトークが始まったのでした。

実は、寄田さんはホメオパシーについては
余り良いイメージは持っていなかったそうです。
数年前に、ある人からホメオパシーは面白いよ、
と紹介されて、あるホメオパシーセミナーに行かれたことがあったそうです。
しかし、そこではホメオパシーがありのままに語られる、
というよりも、講演者自身の自己顕示にホメオパシーを使っているかのようで、
非常にマイナスのイメージを持たれた、と言われます。
これがホメオパシーだとは必ずしも思わないけれど、
期待していただけに、非常にがっかりしたそうです。

そういう先入観を持たれていたので、
柳女将からホメオパシーの方と会うという話を聞いたときには
正直なところ余り気乗りがしなかった、ということでした。
しかし、今日はその時とは全く違う、
気持ちの良いエネルギーに満ちていて、
非常に感銘を受けた、とおっしゃいます。

そして、馬のお話が始まりました。


馬は、実は特殊な動物だそうです。
背骨が特殊に二重湾曲している、唯一の動物です。
背骨は体の中心軸になるわけですから、
当然ながら背骨は強度を保つために弓のように反ります。
しかし、唯一馬だけがちょうど人が乗るところだけ
人の形や大きさに沿ったように窪んでいます。
あたかも人間に「どうぞお乗り下さい」
とでも言うかのように。
その構造だと、当然ながら背骨の強度は落ちます。
ですから、背骨が途中で窪んでいることは、
馬にとっては何のメリットもありません。
それなのに敢えて「さあお乗り下さい」
とばかりに、背骨を窪ませてまで
人が乗れるような姿になっています。
歩く時には二重湾曲していますが
走る時には二重湾曲が無くなって、
弓のようになります。

馬は、少なくとも四~五千年以上は人間と共生しています。
人馬一体という言葉があるように、
馬は、常に人と身近にいました。
友であり、従僕であり、親でもあり、子供でもあります。

馬は、世話をしてくれたり、愛情をたっぷりと注いでくれる人には
一生忘れることなく愛情を返します。
人と馬とは、本当に深い関係性を持っています。

寄田さんは、ご自分は馬に教えられ、
馬に救われたとおっしゃいます。
もう人間をやめようかな、と思った時があったそうですが、
その時に牧場で一日中じっと馬を見ているうちに、
本当に教えられ、命をいただいた、
馬と一緒にいることは、本当に素晴らしい力がある、
と言われます。

それ以来、日本に108カ所(この数字の意味はお分かりですね)
の牧場を作るミッションをご自身に課していらっしゃいます。


実は、以前はイルカセラピー(ドルフィンセラピー)
もされていらっしゃったそうです。
イルカはものすごく知能が高く、
馬よりもずっとセラピー効果がある、と言われます。

東京から南に約200キロ、三宅島から南に18キロのところに
御蔵島(みくらじま)という島があります。
イルカは基本的に回遊する性質があり、
一カ所に定住しませんが、
世界で唯一この御蔵島の周辺にいるイルカだけが、
定住しているそうです。
寄田さんは、自閉症の方たちやDVを受けた方たちを預かって、
家族のようにくらしていらっしゃるのですが、
何度か自閉症の方たちや家族の方たち、またDVを受けた方たちを
御蔵島のイルカのところに連れていかれたそうです。
そうすると、真っ先に深い癒しを必要とする人たちの横に
イルカがぴったりとついて一緒に泳ぎ、離れないそうです。

その治癒力たるや、凄まじく、
まるで「音を立てて癒されてゆくが如し」であるそうです。

それで、何度か連れて行かれたそうですが、
ドルフィンセラピーについて、いろいろと調べているうちに、
衝撃的な論文を読んでから、
セラピーとしては素晴らしいドルフィンセラピーをきっぱりと止めてしまい、
ホースセラピーだけに特化しました。

その理由とは?

それは、イルカは確かに高い知能を持ってはいるものの、
基本的に野生です。
深い癒しを必要とする人間の「アテンド」をすることは、
ツアーコンダクターにとって、
「手のかかる」ツアー客のアテンドをするのが大変なように、
本当に大変なことで、ものすごいストレスが溜まります。

そのために、イルカセラピーに使われるイルカは、
普通のイルカに比べて、
寿命が何と半分になってしまう、
という衝撃的な事実を知ってしまったのでした。

それ以来、ドルフィンセラピーは、プツッと止めてしまわれました。
そのような事実を知って、
尚もドルフィンセラピーを続けることなど、
寄田さんには出来なかったからです。

馬の場合は、もう何千年も人間と共にいるので、
馬は「友としてお互いに助け合おう!」
という気持ちに素直に正直になれるので、
馬で一生やっていこう、と思っている、
ということでした。

それ以来、寄田さんとは、さまざまなことを話し合う友になっています。
そして、さまざまな素晴らしいことが怒濤のように起こりつつあります。

それはまたゆっくりと書いていきたいと思いますが、
ぜひ寄田さんのブログも読んでみてください。

http://web.mac.com/cchp/SigotoBanzai/2008%E5%B9%B4/2008%E5%B9%B4.html

また、NPOのHPもあるのはありますが、
ブログ中心にかいていらっしゃるので、
HPの方はずっと更新していないそうです。

http://www.ryufo.com/honbu/00_frame_index.html

2008年05月31日

靴磨き (4)

靴磨きが「病膏肓に入る」ようになると、
自分の靴や家族の靴はもちろん、
他人の靴を見ても磨きたくてたまらなくなります。

自分の靴や家族の靴をまず手当たり次第に磨くようにもなりました。
そして、スタッフの靴も「隙あらば」磨きました。

次第には、街を歩いていて、
靴を磨いていない人を見ると、
思わず、「あなたの靴を磨かせて下さい」
とうっかり言いそうになる・・・実際には言ってませんが・・・
という状態にまでなりました。

昨年11月の国際セミナーに、
友人のミッシャ・ノーランド先生と息子のマニーを招きました。
とても楽しく素晴らしい日々を過ごしましたが、
その時に、ミッシャは、5年前に買ったという、
ダークブラウンの、かなりくたびれた靴を履いていました。
艶もなく、ホコリがかぶっていて、ザラザラしています。

その靴を見ると、私の「病」がムズムズとしてきました。
居間で楽しくお話しているところを、こっそり抜け出して、
まず片方の靴を磨き始めました。
まず、ブラシでホコリをよーく取り払い、
クリームをつけては入念にブラシで磨くことを何度か繰り返しました。

3回くらいかなり入念に磨くうちに、
カサカサになっていた表面が、次第に艶を取り戻し始めました。
革は、相当に「お腹が空いていた」らしく、
大量にクリームを呑み込み、
しなやかさを取り戻し始めました。

その段階でミッシャに靴を見せると、
ミッシャは誰の靴か分かりませんでした。
ミッシャの靴だと分かった時の、ミッシャの驚きは相当のものでした。
靴を買った新品の状態に近かったのです。

しかし、ミッシャの喜び驚く顔を見ると、
病が疼いてきます。

ミッシャの靴は、ハードなワークブーツで、
ワックスをかけるような靴ではありません。
しかし、無謀にもワックスを掛け始めたのです。

これからが大変でした。
ワークブーツは、元々艶を出すようにはなっていません。
オイルが染みこませてあり、
水が簡単には中には染みこまないようになっています。
その代わり、つややかな艶は出ません。
それは、後で帝国ホテルの師匠に教わったことですが、
その時は未だ知りませんでした。

そこからが、大変な苦行でした。
いくらワックスをつけて磨いても、艶が出ないのです。

そのまま2時間が経ちました。
何度磨きを繰り返したでしょうか?
12回くらいだったと思います。
ミッシャが何事かとのぞきに来ました。
しかし、まだ2時間前の状態とさほど変わり映えがしません。
その状態では未だ見せたくはありませんでした。

そのうちびっくりさせてあげるよ、と言ったら、
もう十分にびっくりしている、と言います。

そう言われると、もっと驚かせずにはいられません。
しかし、翌朝には外出もあります。
その時までには、両方の靴を仕上げなければなりません。
仕方なく、もう片方の靴も同じくらいに磨き、
それから片方ずつ作業を交互に繰り返しました。


気がつくと、明け方の5時になっていました。
その時には、ようやく少しずつ本格的な艶が出てきました。
完全な鏡面仕上げのNo.8とまでは言えませんが、
まあまあの準鏡面仕上げのNo.7に近くなってきました。
そして、しばらくの間、ベッドで気絶しました。


翌朝の朝食の時に、しずしずと靴をミッシャに見せました。
ミッシャの反応は、「気絶」せんばかりでした。


その日は東京をいろいろと見せた後、
帝国ホテルの師匠にどうしても見せたくなり、
ミッシャを連れて行きました。
ミッシャの靴を見るなり、師匠は、ハッとした感じで、
「こ、こ、これは一体誰が磨きましたか?!」と聞きました。
「どうしてですか?」と聞きますと、
「これはすごいよ! この靴はこんな風な艶は絶対出ません。
こんな風に艶が出るようにはなっていないんです。
いったいどんな人が磨いたのか、この外人さんに聞いて下さい。」
とおっしゃいます。

おずおずと、実は私です・・・・・と申しますと、
師匠は、「いやーこれは凄いです。プロでも、よほどのプロでないと、無理です。」
と言われます。

「いったいどれくらい磨いたんですか?」 と師匠。
「実は、約10時間です。」と申し上げますと、
「いやー本当に愛情だね。今日はあなたに教えられましたよ。
この靴はこんなに愛情をかけてもらって本当に幸せだ。」
「これはプロでは無理だね。プロは10時間かけることは絶対出来ないし、
こんな仕上げが可能だとも思っていないし、
まあ正直言って、ここまで根気が続く人はなかなかいませんね。」

私はすっかり舞い上がってしまいました。

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